後背湿地(こうはいしっち)は洪水時や高潮時に自然堤防や海岸砂丘などを超えてあふれた氾濫水がもとで、沼や湿地になった場所です。溢れでた氾濫水が微細な粘土や有機質土が堆積して非常に軟弱な地盤で腐植土の体積も見られます。
後背湿地は低地で水はけが悪いため、元来、水田として利用されていましたが、都市化の影響により道路や住宅地となり、地盤沈下、建物の不同沈下、地震時の大きな揺れなどの問題が潜んでいます。
地盤改良の費用削減は見積りから!
後背湿地(こうはいしっち)は洪水時や高潮時に自然堤防や海岸砂丘などを超えてあふれた氾濫水がもとで、沼や湿地になった場所です。溢れでた氾濫水が微細な粘土や有機質土が堆積して非常に軟弱な地盤で腐植土の体積も見られます。
後背湿地は低地で水はけが悪いため、元来、水田として利用されていましたが、都市化の影響により道路や住宅地となり、地盤沈下、建物の不同沈下、地震時の大きな揺れなどの問題が潜んでいます。
旧河道(きゅうかどう)は漢字からも推測できる通り、昔河川だった場所です。氾濫や長い時間の中で、流路が変わり水が流れなくなった結果できた場所です。ほとんどが泥土や粘土層、砂礫層が不均一で堆積しています。また、もともと河川のため周囲の土地よりも低い帯状の地形で湿地になっていることが多く、水害や地震に対しては弱い地盤です。地表面より2~3m付近までは軟弱地盤でそれ以上深い場所は礫層で安定した地盤の場合が多く見受けられます。
旧河道の地盤には新しい学校や工場、浄水場、公園などが立っている場合が多いです。また、大きな河川と大きな河川の合流部付近に分布していることがあり、昔、氾濫していたような場所に点在します。
丘稜地(きょうりょうち)は山を削り、削った土で山の谷を埋めて作った造成地です。元々は山の高さが50~150mぐらいのところを意味していますが、住宅団地をつくるにあたり造成しやすい環境のため全国で見受けられます。
※造成しやすいとは、宅地をつくるにあたり、山の高低差を使用し、ひな壇形状で造成することで土砂の移動を造成地内で完結できるため。
丘稜地の特長として、山を削った地盤は切土地盤と呼ばれ、もともとの山の特性である岩盤等の硬質な地盤から構成されているため、硬くて丈夫ですが、谷や沢を削った土で埋めている盛土地盤は軟弱層になっています。このことから、盛土切り土が点在する丘稜地は隣の地盤が良くてもその隣の地盤も良いとはいえません。
切土の地盤は地震や豪雨にも強いですが、全体的に見ると、災害時に盛土した場所は沈下や崩壊が見受けられ、地震時には地震波が集中して地盤の揺れが大きくなりやすいと言われています。地盤改良や地盤補強も必要ですが、擁壁や地下水の処理の検討も必要になります。
全国の山裾付近のひな壇団地や小高い丘がある場所に丘稜地があります。
干拓(かんたく)は遠浅の海や干潟、水深の浅い湖や沼を堤防などで締め切り、水門や動力(大型水中ポンプ)で排水し、干上げて陸地化しすることです。また、干拓した土地のことを干拓地(かんたくち)と呼びます。
主に農地として使用されています。開拓地は粘土質で、地盤の強度が低く、地盤沈下も懸念されるため、建物を造る場合は地盤改良、地盤補強が必要になります。また、高潮などの影響で洪水の被害も受けやすいため宅地としては不向きな土地になります。
土地の良し悪しを選定する方法に、地名(住所)から判定できると聞きました。詳しく教えていただけないでしょうか?
お問い合わせありがとうございます。
判定…とまではいきませんが、推測の1つの方法として地名・住所から推測することができます。
私達も地盤調査の事前確認として、地名などからの地盤の良し悪しを推測することがあります。この地名からの推測に加えて、「地質図」「近隣調査データ」「近隣ボーリングデータ」と照らしあわせています。この事前調査から推測した地盤の良し悪しを現地にて調査することにより、より確実で正確な地盤データを抽出しています。
もちろん、最終的な判断は地盤調査になりますが、先達が科学的な手段に頼れない時代に、身近に自然を把握するための方便として考え出されたものが地名で、地名をを付けるとき、その土地の状況を考えて、覚えやすいようにしたのだと思われます。また、日本人の苗字の8割は元々住んでいた地名に由来していると言われていますが、地名には元々その地にあった特徴や性質が地名には反映されています。
地盤の悪い地名としては「さんずい(氵)」のついた地名があります。「さんずい」は水や河川・液体に関することを示していますので、地盤が悪い傾向にあります。
代表的なところでは「河」「池」「沼」「洲」「潟」「泥」などがありますが、下記の漢字もあります。
汁汀氾汚汗江汕汝汐池汢汎汪汽沂汲決沍沙沚沁汰沢沖沈沌沛泛汾汨汳没沒沐沃泳沿泓泱河泣況沽泗泅沼泄沮泝沱治注泥沾沺波泊泌泯沸法泡泙沫油泪洟洩海活洶洫洪洸洽洒洙洲洵洳浄津洗浅洞派洋洛洌海浣涓浩浤浚消浹涉浸浙涎涕涅涛涜浜浮浦涌浴浬流涙浪淫液淹渕渊淤涯渇涵淦淇渓涸淆混済淬渋淑淳渚渉淞淌淨深清淒淅淺淙淡添淀淘淕涼淋淪淚淮渥渭湮淵湲温渦渮渴渙渠減湖港湟渾渣滋湿渚湫湘渫湶湊測湍湛渟渡湯湃溌渺渤満湎渝湧游溂湾溢溫滑漢溪源溝滉溘溷滓準溽溯溲滄滞溺滔溏漠溥滂溟滅溶溜滝演漑漢潅漁滬滸滾漬漆滲漸漱漕滯漲滴滌漂漫滿漾漓漣滷漏漉潰澗澆潔潸澁潤潯潟潜潺潛潭潴潮澄澂潼潘澎澑潦澳澣激澡澤濁澹澱濃濆澪濂濠濶濟濕濡澀濬濯濔濤濘濱濮濛瀉瀋濺瀑瀁濫瀏濾瀛瀚瀞濳瀦瀕瀬瀨瀝瀘瀧瀟瀰瀾瀲灌灑灘灣
「さんずい」の他に、水にまつわる地名や水鳥の名のついた地名なども地盤に悪い傾向があります。
水にまつわる地名の漢字
田・稲・川・橋・水・泉などです。
水鳥の名のついた地名
鶴・鴻・鷺・鴨
水関係以外では低い場所を示す地名があります。小規模な谷や沢や坂が日本には無数にあり、このような場所は低地で、水が下ってきて溜まりやすい場所になります。
低い場所を示す漢字
谷・窪・下・坂・低・崖
以上は大まかに分類したものですが、皆さんの住んでいる地域でも、これらに属した地名があるのではないでしょうか。これから建築しようという場所が、水などに関わる地名だったとしたら、地盤が軟弱であることを疑ってみるべきです。
ちなみに、地盤のよい地名としては、山、丘、台、高、林などがあります。これは、水はけの良い高台であることが分かります。また、神社やお寺がある場所は比較的地盤が良い傾向にあります。先人は地盤の良い所に神社仏閣を立て、その周囲に家屋を建て集落が広がっています。先人の知恵ですね。しかし、これらのお話はあくまでも推測です。家を建てる時は地盤調査を行い、しっかりと地盤を見極めましょう。
地盤改良工事費について教えて下さい。
新築で家を建てることになり、新築建物の他に、地盤改良工事が必要とのことで地盤改良費用が高く見積もっても70万だと言われました。家を建てる場所はもともと、水田ということもあり、メーカー(工務店)からの説明では地盤改良工事をしないと新築建物が傾くおそれがあると言われ、しぶしぶ契約し、地盤改良工事を施工してもらいました。すると、メーカー(工務店)より地盤改良工事が思ったよりかかり。地盤改良費用が115万になるとと言われました。最初に聞いてた『一番高く見た金額』より45万多いんです。
本当にそんなにかかったのだろうか?と、話が違いすぎて困惑しています。追加費用に45万円を払わなければいけないでしょうか?
お問い合わせありがとうございます。まずは契約書の内容を確認して下さい。地盤改良工事費について特記事項を定めている場合があります。契約段階で地盤改良の設計は地盤調査後の判定になるため、実際の工事が始まり地質により地盤改良工事に使用する材料の増減や深さなどが、予測していたものと異なり設計変更の対象になる事もあります。
全ては契約書に細かく書かれています。打ち合わせの段階で、地盤改良費が70万と言われた場合、打ち合わせ簿などの控えなどがあれば、メーカー(工務店)に出してもらうことも可能だと思いますが、口頭での話の上に契約書に「追加」や「実費」などと書かれている場合は追加費用を出す必要があるかもしれません。まずは、契約書を確認し担当者に相談してみましょう。
お客様のようなお問い合せはよくあります。メーカー(工務店)は建築物をメインに設計施工し地盤や外構は設計に入れていない場合もよくあります。家造りは地盤に始まり、地盤で終わると言っても過言ではありません。地盤調査にはじまり、外構(車庫や土間)で完成します。
地盤改良は家を支える大事な要素です。契約の見直しも含め、納得した答えを出されることをおすすめします。地盤に係ることであればお気軽にご相談下さい。
現在は売り主の家が建っています(築30年、100坪)。30年前はため池でため池を埋めて、現在の家を建てたそうです。
①心配な事は、昔ため池地ということで、湿気が気になります。
②それと、ため池を埋めた場所ということで地下水の影響も気になります。アドバイス願います。
追伸、契約は売主の方で解体し、更地を購入する予定です。
お問い合わせありがとうございます。まず、湿気について回答させていただきます。最近の家は気密性が高く湿気はあまり気にされなくても大丈夫と思います。基礎を施工する際にも防湿シートを施工し、ベタ基礎仕様のため湿気には問題ありません。
※湿気が多い場合、シロアリ被害が気になりますが、防湿シートの代わりにシロアリシート(ターミダンシート)を敷きこむことにより湿気、シロアリの対策になりますよ。
詳しくはこちらをどうぞ http://shiroaritaisaku.com/
また、地下水の影響ですが、ため池は自然に地下水が集まる場所のため、水はけは良くないと考えられます。ため池を埋めた地盤の影響は少なからずあると思います。
上記のことも気になりますが、家を建てるにあたり、知ってほしいことがありますので、ご説明させていただきます。
ため池を埋めるにあたり、柔らかい粘性土やシルト層・ヘドロなどの軟弱層が厚く堆積している上に盛土したと考えます。そうすると、軟弱層が長期にわたり、じわじわと圧密沈下していると思います。さらに、地下水等の影響を受けて、沈下が現在も進んでいる可能性もあります。
対策としては、水はけを良くするために暗渠パイプ等を設置するなどが効果的です。他には、中間に砕石等の透水性の高い土を挟み込んだり、砕石を格子状などに埋設し、末端で排水溝に落とすような構造にするだけでも表層部の排水性の向上が期待できます。ただし、住宅基礎の下に施工するのは望ましくありません。
新築住宅を建てるにあたり、土地を探していた所、気に入った土地が見つかりました。場所的には山を切り崩し造成した場所で、35年前に造成し造成地全体がひな壇になっています。
購入希望地は東側に崖(雑木林)があり、幅8.0m・高さ2.0m・傾斜は45度ぐらいで、県の所有との事。
そこで、相談ですが、裏の崖は法面に木など生い茂っていますが補強工事などはしていなく、土砂崩れや、不等沈下が心配です。それと、県所有の土地に法面の補強工事などはできるのでしょうか?
また、補強工事の費用も教えていただけるとたすかります。よろしくお願いいたします。
お問い合わせありがとうございます。ロケーション的には見渡しが良い場所なのでしょうね。素敵な景色が想像できます。
相談内容ですが、まずは県の土木センターや建設部の方に問い合わせし確認してください。補強工事はもちろんですが、法面が保護されていない場合、条例等で建築を規制している場合もありますので要確認事項になります。
参考までに今までに関わった事例をふまえ、アドバイスさせていただきます。
購入予定地の東側は45度程度の法面で、法面は木や草が生茂っている雑木林であり、県所有の地面であることから、法面は安定勾配(擁壁や土留・法面ブロックを施工しなくても自立可能な勾配)と判断します。
また、法面の表面も木や草が生茂っているため、風化や侵食を受けていないと判断できるため補強工事をしなくても大丈夫だと思います(表面が風化や侵食を受けている場合、崩落や崩れる恐れがある。また、木や草の根が地面の中に張り込むことにより崩落を防いでいます)。
このような場所は全国にもたくさんあります。また、行政の所有土地は勝手に補強工事などはできません。地域によっては補強工事はもちろん、新築時に補助金がでたりする場合もありますので、県市町村にご確認下さい。
どうしても、補強工事をしたい場合は自己所有の土地に重力式擁壁の施工になると思います。(現状からの推測です。実際に検討する場合は現地確認後になります)高さは根入れ底(地面から下に入る部分)から天端(擁壁の一番高い部分)1,500mぐらいで幅8.000m、で100万程かかると思います。(あくまでも推測参考価格です)また、家を建てる場合は東側の敷地境界から2m離れて建てることをおすすめします。
シートのみ販売してもらうことは可能でしょうか。
シートのみの販売は行っていません。シートの特許、施工責任は販売元のジオファーム株式会社あります。ジオクロスユビファ工法は施主様の家を守るために開発された特許工法です。シートの施工のみでその優れた効果は期待できません。あくまでもしっかりとした施工の上に成り立つ地盤改良なのです。
ただし、施工代理店になるとシートの販売は可能です。
詳しくは「施工代理店募集」をご覧ください。