地盤改良には大きく分けて①固化工法と②締固め工法があります。
① 固化工法をさらに分類すると「表層改良工法」と「深層混合工法」があります。
「表層改良」は、軟弱層と呼ばれる弱い層が地面表面から深さ2m迄ある地盤で採用る工法です。セメント系の粉の様な「固化材」を地面の土に混ぜてその固化材が硬化する事で表面を固めます。
「深層改良工法」は、ミルク状の液体(固化材)を、地盤に穴をあけながら混ぜることで、円柱状に硬化させる工法です。
いずれも、固化材による地下水の汚染などが問題になっています。固化材に含まれる六価クロムが土壌を汚染してしまうのです。六価クロムは発ガン性物質で、土壌から地下水に浸透して、結果、地下水も汚染してしまいます。また、固化工法で地盤改良した土地を売却する場合、原則、地中の埋蔵物などは撤去して引き渡す事になりますが、コンクリート状になった地中の残存物を撤去する事は難しく、大きな費用が発生する事が短所としてあげられます。
② 締固め工法は、杭穴を掘った外側から砕石を供給して、棒状の振動体で砕石を平行振動させて砕石を締め固める工法です。十分に砕石を振動させ、しっかり締め固めて砕石がぎゅうぎゅうに詰まった柱状体を作り、その柱状体で建物を支えます。固化工法の様な固化材は使わない代わりに、一つ一つがバラバラな砕石同士が力で釣り合っている状態を作り出すために、施工の精度が求められます。
以上の工法は、いずれも地盤の地中深くの支持層と呼ばれる硬い地盤から建物を支持する工法です。
その他、駒状の物を地盤表面に並べることで土壌を締め固める「コマ工法」、発泡スチロールで土の重さを置き換えて(軽量化する)建物を支える「置き換え工法」、土木で使用されているシート工法を応用し、住宅用に改良した「ジオクロス工法」などがあります。