【地盤改良を検討】見積が150万円できています。費用削減したいけど、安くなりますか?

地盤改良の価格の悩み

地盤改良柱状改良工法、3.5m/28本で150万円の見積が来ています。建築面積は約80平米ぐらいです。地盤調査の結果は扇状地でGL-3000m付近で支持地盤(20N)があります。GL-3000mまでは50~100kg自沈があります。ジオクロスユビファ工法での施工は可能でしょか?それと施工金額はいくらぐらいになりますか?

(建築士K.O)

お問い合わせありがとうございます。地盤調査報告書を確認してからの詳細見積になりますが、上記地盤調査結果からの推測ですとジオクロスユビファの施工は可能です。支持地盤も平坦だと推測できますので大丈夫です。

施工価格の方も建築図面(平面図・基礎伏図)を拝見してからの見積になりますが、ジオクロスユビファの施工は高く見積もっても450,000円ぐらいで施工できると思います。(施工配置図面作成、施工、報告書作成、地盤保証)この他に設計根切り底よりも+100~150程掘削していただき、砕石を敷き込み、転圧作業が加算されますが、残土処理も含めて350,000円程で出来ると思います。建築士K.O様の基礎やさんに下地(ジオクロスユビファ施工前まで)を作っていただだくことも可能ですので、その場合は、下地施工の注意点をお伝えします。管理写真も要点毎に撮影していただければ問題ありません。すべてこちらから指導しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。

ご検討いただける場合、地盤調査報告書と建築図面(現場地図、平面図、基礎伏図)を送っていただければ、詳細お見積りをさせていただきます。価格的にも十分なご提案をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

地盤改良の種類を教えてください

地盤改良には大きく分けて①固化工法と②締固め工法があります。

① 固化工法をさらに分類すると「表層改良工法」と「深層混合工法」があります。

「表層改良」は、軟弱層と呼ばれる弱い層が地面表面から深さ2m迄ある地盤で採用る工法です。セメント系の粉の様な「固化材」を地面の土に混ぜてその固化材が硬化する事で表面を固めます。

「深層改良工法」は、ミルク状の液体(固化材)を、地盤に穴をあけながら混ぜることで、円柱状に硬化させる工法です。

いずれも、固化材による地下水の汚染などが問題になっています。固化材に含まれる六価クロムが土壌を汚染してしまうのです。六価クロムは発ガン性物質で、土壌から地下水に浸透して、結果、地下水も汚染してしまいます。また、固化工法で地盤改良した土地を売却する場合、原則、地中の埋蔵物などは撤去して引き渡す事になりますが、コンクリート状になった地中の残存物を撤去する事は難しく、大きな費用が発生する事が短所としてあげられます。

② 締固め工法は、杭穴を掘った外側から砕石を供給して、棒状の振動体で砕石を平行振動させて砕石を締め固める工法です。十分に砕石を振動させ、しっかり締め固めて砕石がぎゅうぎゅうに詰まった柱状体を作り、その柱状体で建物を支えます。固化工法の様な固化材は使わない代わりに、一つ一つがバラバラな砕石同士が力で釣り合っている状態を作り出すために、施工の精度が求められます。

以上の工法は、いずれも地盤の地中深くの支持層と呼ばれる硬い地盤から建物を支持する工法です。

その他、駒状の物を地盤表面に並べることで土壌を締め固める「コマ工法」、発泡スチロールで土の重さを置き換えて(軽量化する)建物を支える「置き換え工法」、土木で使用されているシート工法を応用し、住宅用に改良した「ジオクロス工法」などがあります。

地盤改良が出来ない地盤ってどんなのですか?

地盤調査のデータを見ていると地盤改良が必要な弱い地盤であるのに、どの工法でも完全な改良が出来ない地盤も稀にあります。「未分解腐葉土」と呼ばれる、落ち葉が堆積した土壌(湖のそばに見られます)は、現在でも最適な地盤改良法がありません。それは、「未分解腐植土」は、腐葉土が堆積してできた未分解の植物を大量に含み、空気層をたっぷり含んだスポンジの様なフカフカした地面です。大規模な、杭基礎工事などを行う事になります。

杭基礎工事は、地盤表層付近の状況にはあまり左右されませんが、深い場所にある洪積層(砂礫)や沖積層(粘土層)と言った硬い地盤(支持層)まで杭を埋めなくてはなりません。その支持層は場所によって深さが違います。自分の土地の支持層がどの位の深さにあるのか、それは地盤調査を行うまではわかりません。一般的な木造2階建てなら沖積層を探すことになりますが、10m以上杭を埋める必要がある場合もありますし、大きなビルを建てる場合は、洪積層まで30mもある場合もあります。なので、大変大きな費用が必要になります。

地盤改良って必要ですか?

今までは、2階建て以下の木造建築に関しては、地盤の調査を行ってから建物を建てることはあまりありませんでした。

しかし今は、国の法律によって新しく建物を建てる場合、地盤の調査を行い、さらにその内容によっては「地盤の改良」を行う様に定められています。

また、大切な資産である建物が文字通り基礎から傾いてしまっては資産価値が大きく下がってしまいます。それは、不同沈下が起こってしまい、建物が5/1000以上傾いてしまうと、扉が勝手に開いたり建てつけが悪くなることで隙間が出来たりします。身体で感じるようになると健康に被害が出る場合もあります。家の傾きを簡単に調べるためにゴルフボールやビー玉を家の中で転がしている様子をテレビの特集で見ることがあると思います。

地盤の中身は、目で見てもその土地の過去を調べたとしても、本当に内部がどうなっているのかはわかりません。地盤調査会社の調査データと地盤の専門家の判断の上、改良の必要があるとなった場合は必ず改良が必要です。

ジオクロス ユビファ工法(シート工法)の液状化に関するまとめ

液状化

液状化にジオクロスユビファは強いの?

お客様から届くジオクロス ユビファ工法の質問で、
特に多いのが液状化に関することです。
東日本大震災では多くの被害がでたことで皆様の関心が強く『の地盤改良に比べて液状化には強いのか?』と聞かれることが多々あります。
ここでは、液状化についてのQAをまとめました。

ジオクロスユビファの質問

ジオクロス ユビファ工法(シート工法)は液状化に弱いのでは?

液状化は砂地盤で高い地下水位の場合、地震によって砂が固まり中の水が噴き出

してくる現象です。

ジオクロス ユビファ工法(シート)で建物を支えて面で支持しているので、船のように水の吹き出しを均一にし被害が最も少ない工法と言えるでしょう。

他の地盤改良工法との比較

柱状改良と比べて液状化に弱いのでは?

柱状改良工法は東日本大震災では最も沈下事故の多い被害の大きな工法でした。
杭は水と一緒になって基礎を突き上げて被害を大きくしています。

ジオクロス ユビファ工法は面で支えているので下から水の吹き上げに対して均一に圧力を受けて被害は少なくなりました。

砕石パイルと比べて液状化に弱いのでは?

締固め工法は水を抜く工法として液状化に対して抵抗出来る工法と宣伝していますが液状化の前に沈下事故が大きく問題になっています。

N値2以上 GL-6mまでと適応地盤ですみ分けています。

表層改良と比べて液状化に弱いのでは?

表層改良は基本的にGL-2,000付近までの改良工法です。また、支持層が改良地盤下にいるため液状化は起きないと考えます。砂地地盤での表層改良は工法自体に注意が必要と考えます。

その他工法より液状化に弱いのでは?

杭は抜け上がりで基礎を壊し上がってきます。

ジオクロスは建物重心が中心にあれば船のように均等に水の圧力を受けて
被害は少ない液状化委には強い工法です。

どんな軟弱な地盤でも対応できますか?

地球上にはいろいろな地盤がある事を説明しましたが、その地盤の中身がどの様な構成で出来ているのかは、専門の「地盤調査会社」が調査を行い、どの様な地盤であるか解析をします。その解析結果から、「地盤の専門家」がどんな改良が良いのか、判断をします。

様々な地盤があるように、地盤改良の方法も様々です。オールマイティな地盤改良工法は無いと言ってもよいと思います。適材適所な工法が必ずあるので、「地盤の専門家」と相談しながら決めていくことが大切です。

また、数ある工法ではコストに大きな差があります。高額な工法を選んでも、地盤と建物に適さなければあまり意味はありませんし、基礎にお金ばかりかかってしまいます。実は、建築物の建築費を見ると、地盤改良にかかる費用はとても大きく、工法によっては総額の10%を超える場合もあります。しかし、前述の通り、高い工法が必ずしも安心ではないのです。地盤の解析結果をよく分析して、安価で安心出来る工法を選ぶべきです。

また、環境負荷の少ない工法を選ぶこともこれからは重要です。
そんな事も考えながら最適な地盤改良工法は必ずあります。

地盤改良ってなんですか?

地盤改良ジオクロスユビファ建物を建てる時、まず初めにやる事の一つに、建物が建つ土地(地盤)の内容がどうなのか調べます。
地盤は場所によって様々です。山の上や谷合、元々田んぼだった場所、極端に言えば砂丘だってあります。
その地盤を掘って土の種類を調べるとその土の種類にも、粘土質・砂質土・がれき(礫)・腐植土など様々です。

さらに掘り進むと水脈にあたったりと、実に様々な表情が地面の下には隠れているのです。
100ヶ所調べると100通りの状態が見られるのが地盤なのです。

私たちが田んぼのあぜ道から長靴を履いて田んぼに入ると足首まで泥の中に沈むと思います。それと同じで、重い建築物をそのまま建ててもビクともしない強固な地盤もあれば、そのまま建てると徐々に沈んで(地盤沈下)しまい、中には建物が傾いてしまう(不同沈下)地盤もあるのです。

そんな弱い地盤(軟弱地盤)に人工的な改良を加え、地盤沈下と不同沈下を抑制して安心・安全な家を作る事が「地盤改良」なのです。