地震(じしん)

地盤改良の必要性

地震画像地震(じしん)とは地下の岩盤が断層運動によって起きる現象です。断層運動は地中の断層と断層の面がずれることにより、ひずみがしょうじます。その際に放出されたエネルギーが弾性波・地震波として広がり、地表面に到達したときに「揺れ」を感じます。

日本は地震・火山活動の災害が発生しやすいため、地震が起きやすい国であることを理解し、建物を建てるときには地盤を把握し、何らかの地盤対策を取ることが重要になります。地震で地盤が緩み、不同沈下がおきたり、液状化によって建物に被害が出ないようにする必要があります。

世界から見た日本

  • 世界全体に占める日本の災害発生割合は,マグニチュード6以上の地震回数は世界で発生した地震のうち20.5%が日本で発生しています。
  • 活火山数は世界全体の7.1%がこの狭い日本に集中しています。この割合は世界の0.25%の国土面積に対して非常に高くなっているといえます。

(参考サイト:地震情報サイト)

地盤沈下(じばんちんか)

地盤沈下例地盤沈下(じばんちんか)は、地表面が沈下する現象です。建物に関わることでお話すると、建物下の地盤が沈下することにより、建物が傾いたり(不同沈下)、建物全体が沈下(平等沈下)します。
原因としては軟弱層に建物荷重がかかり、軟弱地盤が圧密を起こし沈下したり、地下水の影響により地盤が緩み沈下したりします。そのため、建物を建てる場合は、地盤調査をし、地盤沈下を起こさないように対策する必要があります。

その他の地盤沈下の原因

自然沈下

  • 地殻運動(ちかくうんどう)
    地球の内部の地質作用にて地殻が変形することで、地殻変動と呼びます。火山活動もこれにあてはまります。
  • 堆積物の収縮
    礫や砂、泥などの岩石片や鉱物などが堆積し重なるが、ルーズな状態の土砂である(軟弱地盤)。自然の作用により収縮するため、地盤沈下が起こる場合がある。

人為的要因

  • 地下水の過剰採取
    融雪や工場用水、ビル用水に使用するための組上げ

建物関わる地盤沈下は地震などによる自然災害を除き、しっかりと地盤を把握し対策することで防ぐことが出来ます。東日本大震災に於いて、液状化現象が起き、かなりの住宅に被害がありましたが、液状化による被害を防いだ工法もあります。

液状化対策のご相談は下記のリンクよりお気軽にご連絡・お問い合わせ下さい。

扇状地(せんじょうち)

扇状地扇状地(せんじょうち)とは河川が山地から平野に移る箇所に見受けられる、土砂が堆積した層です。扇状地は山側を頂点(山地から平野に移り箇所)として扇状に蓄積している地盤で、扇子を広げた扇型の形をしています。

堆積物は大小さまざまな大きさの礫や砂を多く含んでおり、比較的地盤は良好だが、扇状地のうえに無数の旧可動が扇状に放っているため、軟弱地盤も存在する。

扇状地として有名な場所

  • 富山県黒部市
  • 富山県入善町
  • 長野県安曇野市穂高

地盤改良(じばんかいりょう)

地盤改良例:鋼管杭地盤改良(じばんかいりょう)とは住宅などの建物が沈下しないように地盤を補強することです。主に軟弱地盤では地盤改良が必要になってきます。地盤改良には様々な工法があり、地盤の地層構造や、地盤の強さを地盤調査にて把握し、そのうえに立つ、建物の大きさや重さから検討されます。

地盤改良は建物荷重と地盤・ロケーションの状況に合わせた地盤改良工法を選択することによりが重要です。地盤改良工法によって、費用や環境が変わる場合もありため、工法選定の際は相見積をとり、様々な角度から検討することが大切です。

地盤改良の事を地盤補強とも言いますが、地盤改良や地盤補強の工法によって呼び方が変わりますが、地盤を強くする意味では同じです。また、液状化地帯では液状化対策にもちいられます。

詳しくは【[article include=”488″]】をご覧ください

擁壁(ようへき)

プレキャスト擁壁

擁壁(ようへき)とは、コンクリートやブロック・石積みなどで作った壁(塀)のことです。

擁壁の種類:メリット、デメリット

プレキャスト擁壁(L型擁壁・二次製品)

プレキャスト擁壁プレキャスト擁壁とは工場で製造されたコンクリート製品の擁壁です。JIS認定工場にて管理されているため、高品質で擁壁幅が狭くなり、費用時にも安く施工できます。2,000m/本の長さのため、直線施工に向いています。また、垂直に立ち上がるため土地を有効に活用できます。

 メリット:施工費用が現場打擁壁に比べ抑えれる。施工が早い。高品質である。

  • デメリット:規定サイズの施工になる。狭い所では施工ができない。

 

 

現場打擁壁(げんばうちようへき)

現場打擁壁現場打擁壁(げんばうちようへき)は現場で作るコンクリートの擁壁です。型枠を組立後、生コンクリートを流し込み、固まったら出来上がりです。二次製品のL型擁壁と比べ、施工期間は長くなり、品質もまばらになります。施工場所が歪であったり、直線ではない場所では自由に形をつくることができ、天端の幅を変えることにより、フェンスやブロック積みの基礎代わりにも出来ます。L型擁壁だけでなく、重力式擁壁、T型など現場に応じて様々な対応が出来ます。また垂直に立ち上げると土地を有効に活用できます。

 

  • メリット:自由に形を作れるため、現場に応じた擁壁をつくることができる。狭い場所でも施工が可能。
  • デメリット:品質がまばら。施工費用が高くなる。

ブロック積擁壁(ぶろっくづみようへき)

IMG_3205プレキャストのブロックを積あげて斜面を保護する擁壁になります。地盤の良い斜面に貼りつける形になり、切土斜面の地盤を傷める事なく施工出来ます。垂直にモルタルブロックや化粧ブロックを積み土留代わりに使用している場合もありますが、強度的に問題があるため注意が必要です。昔は天然石を積み上げて斜面を保護していましたが、天然の積石(間知石・けんちいし)に変わる資材として現在は普及しています。

 

 

  • メリット:斜面を傷めないため地盤がゆるまない。他工法より施工費が抑えれる。
  • デメリット:垂直に積めないため、敷地が面積が減る。

現場によっては上記工法を組み合わせて施工することにより、敷地を有効活用することが出来ます。

擁壁に関する関連記事として「[article include=”542″]」があります。
興味がありましたらご覧ください。

液状化(えきじょうか)

液状化

液状化

液状化(えきじょうか)とは地震によって、水分を多く含んだ砂の地盤が液体のように流動化する現象で、地下水と共に砂の層が吹き出す事を液状化現象(えきじょうかげんしょう)と呼びます。

液状化現象が起こりやすい地盤は、海岸や河川の河口付近などで、地下水位が高く、砂質土であるところです。液状化がおこると、上部の建物や道路が沈下したり、揚圧力を受けて破壊されたりします。液状化を完全に防ぐことは難しいですが、地盤改良工事や地盤補強工事によって、対策を打つことが可能です。

東日本大震災時に各地で液状化現象が起き、多大なる被害が出ましたが、東京ディズニーランドなどは液状化対策を行っていたため、被害が最低限に押さえられたとのことです。

国土交通省に地図満載です

国や各都道府県にて「液状化マップ」を作成していますので、「〇〇県 液状化マップ」で検索をかけると出てきますので参考にして下さい。

地形(ちけい、じぎょう、じがた)

地形とは、「ちけい」「じぎょう」「じがた」と読みます。
「ちけい」と「じぎょう」「じがた」の意味合いが違いますのでご説明します。

地形(じがた・じぎょう)foundation

土地の形や傾斜などの状態・形状を示します。正方形や長方形などの形を整形地と呼ばれ土地を有効に使いやすいため、造成工事時に区画整備するのはこのためです。逆に、三角形やL型、台形などのいびつな形は不整形地と呼ばれ、家や構造物を建てる場合に土地を有効に活用できません。形も大切ですが、地形の起伏(おうとつや段差)がなく平坦な方が有効的な活用ができます。同じ面積の土地の場合、真四角で平坦な方が価格が高くなり、固定資産税や相続税の評価額も上がります。逆に同じ面積なのに、形がいびつで、起伏が大きいと価格が低く固定資産税や相続税の評価額も下がります。

もう一つの意味合いがある「じぎょう」
構造物の基礎と地盤との接点における工事のことを示します。砂地形(すなじぎょう)、砂利地形(じゃりじぎょう)、くり石地形(くりいしじぎょう)など工事に使用する材料を地形の名称にしている場合もあります。工事は砂,砂利,割ぐり石 (砕石) などの材料を使用し、ランマーや振動ローラーなどで地盤表面より締固める作業になります。

地形(ちけい)topography: landform

地表面の形態・形状の事を示します。海面上にある陸上地形と海面下にある海底地形に分けられ、地形にはその営力によって、地殻運動や火山活動など内作用によって生じる構造地形 (変動地形) と風化や浸食などの外作用によって生じる浸食地形とがあります。

 

その他に地形(ちけい)に絡む言葉がありますのでご紹介します。

【地形学】ちけいがく

地理学の一部門。地表の形態およびその成因・発達史などを研究します。

【地形区】ちけいく

地表を地形の特徴に基づいて区分した個々の地域です。

【地形図】ちけいず

地形を詳細に示す地図。山や川、道路・鉄道・集落なども含めた土地の状態を表しています。ふつう、等高線で起伏を表します。

【地形性降水】ちけいせいこうすい

山脈に吹きつけられた気流が斜面に沿って上昇し、断熱膨張によって冷却することによる、水蒸気が凝結して降る雨や雪のことです。

【地形測量】ちけいそくりょう

地形図を作製するための、地上物の形状や位置の測量をすることです。

【地形輪廻】ちけいりんね⇒浸食輪廻(しんしょくりんね)

地盤の隆起により生じた原地形が、浸食によって険しい山地に変わり、最後に平坦(へいたん)な準平原になる地形の変化です。

【地形分類図】ちけいぶんるいず

地形の種類によって、地形図上に色彩や記号などでわかりやすく区分表示した地図です。
地形の分類単位は起伏、傾斜、谷のきざみの大小などの形態的分類に、地形の成因、形成営力、表層物質などの分類や、冠水地、地すべり地形などの土地災害に関する地形分類を加味した微地形的単位で、地形型とか地形面とも呼ばれています。地盤を判定する上でもとても重要な資料で、地盤調査のときに地形判定の材料として用いられます。住宅を建てる場所がどんな地形なのかを把握することから地盤調査は始まります。

様々な地形がありますのでご紹介します。地盤調査報告書に地形分類(地形区分)の説明が書かれていますので詳しく知りたい方もご覧ください。
※クリックすると詳しい説明が見れます。

砂洲(さす)

地盤用語:砂州

地盤用語:砂州

砂州(さす)とは、川の中に砂や石が堆積してできる陸地のことをいいます。河口付近では岩石海岸が侵食されてできた砂や礫が堆積した場所もあります。比較的、地盤は良好ですが、地震時には液状化の注意が必要です。

岬や湾、入江の出口などの海岸に対岸や陸地に接するように長く伸びた地形も砂州と言います。天橋立(あまのはしだて)などは有名な砂州です。

後背湿地(こうはいしっち)

後背湿地(こうはいしっち)は洪水時や高潮時に自然堤防や海岸砂丘などを超えてあふれた氾濫水がもとで、沼や湿地になった場所です。溢れでた氾濫水が微細な粘土や有機質土が堆積して非常に軟弱な地盤で腐植土の体積も見られます。

後背湿地は低地で水はけが悪いため、元来、水田として利用されていましたが、都市化の影響により道路や住宅地となり、地盤沈下、建物の不同沈下、地震時の大きな揺れなどの問題が潜んでいます。

旧河道(きゅうかどう)

旧河道(きゅうかどう)は漢字からも推測できる通り、昔河川だった場所です。氾濫や長い時間の中で、流路が変わり水が流れなくなった結果できた場所です。ほとんどが泥土や粘土層、砂礫層が不均一で堆積しています。また、もともと河川のため周囲の土地よりも低い帯状の地形で湿地になっていることが多く、水害や地震に対しては弱い地盤です。地表面より2~3m付近までは軟弱地盤でそれ以上深い場所は礫層で安定した地盤の場合が多く見受けられます。

旧河道の地盤には新しい学校や工場、浄水場、公園などが立っている場合が多いです。また、大きな河川と大きな河川の合流部付近に分布していることがあり、昔、氾濫していたような場所に点在します。